”可塑剤”とは、ある材料に柔軟性を与えたり、加工をしやすくするために添加する物質のことです。
粘土細工で、軟らかくする際に水を加えたりしますが、この場合の水と同じような働きをするのが可塑剤です。
可塑剤は、現在主に塩化ビニールを中心としたプラスチックを軟らかくするために用いられ、そのほとんどが酸とアルコールから合成される化合物(一般的にエステルといわれるもの)です。常温で通常無色透明の液体です。
塩化ビニールは常温では硬い樹脂ですが、それを加熱するとお互い引きつけ合う力よりも分子の運動量のほうが大きくなり、分子間の距離が広がっていきます。つまり、”軟らかく”なります。
その状態の時に可塑剤の分子を入り込ませると塩化ビニール分子の接近が妨げられ、
冷却して常温に戻っても”軟らかい”状態を保つことができるようになります。
これが、塩化ビニールを軟らかくする可塑剤の働きです。
”基礎剤を可塑化(軟らかく)できるもの”と言うことから「可塑剤」とネーミングされました。
それまでは、軟化剤・柔軟剤・膠化剤など様々な呼び名がありました。
英語でいうところの「Plasticizer」、「Softner」、「Gelatinizer」になります。
私たちが製造しているフタル酸系可塑剤「B.P.B.G」は、元来チューインガムの原料の一部として使用されていました。
時代を経て、現在ではメディカル、セミコンダクターの分野でもご使用していただいております。

